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時間領域 核磁気共鳴装置 TD-NMR Spectrometer Spin Track

時間領域 核磁気共鳴装置
TD-NMR Spectrometer Spin Track

大型で高額なNMRのイメージを覆す小型で安価なTD-NMR(パルスNMR)です。
核磁気共鳴における共鳴の緩和時間の測定から分子の運動性を評価することができます。
分子の運動性を測定することで、以下の評価が可能です。
 ・粒子分散溶液の分散性(濡れ性)を定量評価
 ・粒子界面特性評価
 ・固体高分子材料(樹脂、ゴムなど)の架橋度合いや結晶性を非破壊的に評価

  • 概要
  • 特徴
  • 仕様
  • 導入事例事例

Spin Trackは核磁気共鳴における共鳴の緩和時間を測定し、分子の運動性を評価します。

分子の運動性評価から、粒子分散溶液の粒子分散性評価固体高分子材用の比較評価が可能です。

緩和時間だけでなくプロトンの拡散係数の測定も可能です。

分散性評価(粒子分散溶液)

核磁気共鳴における共鳴の緩和時間を測定し、粒子界面状態や分散凝集状態を評価できます。
高濃度分散系でも希釈せずに原液状態にて測定可能です。
簡単に短時間で再現性良いデータを得る事が可能です。
適切な分散処理時間の推定、粒子の濡れ性、分散媒との親和性、分散剤のスクリーニング等に活用可能です。

 

<三種の微粒子分散体の分散性評価一例>

パルスNMR図3

※Rsp値:濡れ性の度合いの指標の1つ

(Rsp値 低) PSL < シリカ < アルミナ (Rsp値 高)

(濡れ性 悪) PSL < シリカ < アルミナ (濡れ性 良)

[結論]

本事例では、アルミナ、シリカ、PSL(ポリスチレン)を同一の分散溶媒に分散させたとき、各粒子の濡れ性の差異を序列をつけて評価することができました。

★他にも、[導入事例]に種々のアプリケーション事例を紹介しております。

[原理]

粒子表面に拘束されたプロトンの緩和時間は、溶媒中に自由に存在するプロトンに比べて短くなります。
これは粒子表面近傍の溶媒分子が拘束され、運動性が低くなる為です。このことから粒子表面積が大きいほど(≒粒子径が小さいほど)、粒子表面に拘束されるプロトンの総量が多くなり、系全体での緩和時間は短く得られます。(下図左)また、同一径の粒子でも表面状態の違い(表面処理など)で濡れ性に差異があると、系全体での拘束されるプロトンの量は変化します。(下図右)
サンプル間を比較することで、粒子径の違い、表面の濡れ性の違いを評価することができます。

図1

 

分散評価のより詳しい原理、測定例は「パルスNMRによる濡れ性・分散性評価」をご覧ください。

 

分子運動性評価(固体高分子材料)

樹脂、ゴムなどの固体高分子材料の分子運動性を非破壊で評価します。
架橋度合いの異なるサンプルや結晶性の異なるサンプルを測定することで、分子運動性の比較評価が可能です。

 

図2

 

拡散測定

プロトンの拡散係数測定を簡便に測定することができます。
校正、測定、拡散係数解析はワンクリックで可能です。

 

<水(蒸留水)の測定例>

拡散係数測定 水の拡散係数 diffusion efficient

30℃における水の拡散係数測定の結果です。数分の測定時間で拡散係数を測定・算出することが出来ました。
この測定から、30℃における水の拡散係数は 2.43×10^(-9) D*m^2 /s と文献値とほぼ一致しました。

  • 特徴

●幅広い応用性

観測核次第で応用が可能です。試験材料内に存在する原子核、分散媒に存在する原子核、吸着分子に存在する原子核など。

●良好な再現性

どなたでも再現性良く測定が行えます。

●簡便な操作性

シーケンスファイルを選択するだけの簡単な測定が行えます。解析も専用のソフト内で解析可能です。

●短時間での測定

数十秒~数分と短時間測定。おおよその目安として、粒子分散液は30秒以内、固体材料は0.5~10分程度。

●熟練者にも対応

自由にシーケンスを作成いただけます

●自由にカスタマイズ可能

希望の仕様にて作成いたします

 

  • 仕様
測定項目 緩和時間(T1、T2)
拡散係数
緩和時間測定 ① 観測核:1H、2H、19F、23Na、27Al、31P 選択可
② 共鳴周波数:14~64MHz 選択可
③ 測定時間:数十秒から数分(測定時間はサンプルの性状に依存)
④ 試料管:5、10、18、40mmΦ選択可
サンプル ① NMRチューブに分取可能である事(固体のまま評価可能)
(微粒子分散系の場合) ② 粒子濃度:1vol%以上 上限なし(測定上限/下限は、サンプルの性状に依存)
③ 測定可能溶媒:水系、有機溶媒系可能(構造中に観測核が含まれる事)
④ サンプル量:約500µl(より少量での測定も可能)
温調 ① 室温+5℃ ~ 50℃
② 室温+5℃ ~ 150℃ or 4 ~ 150℃オプション
操作性 ① 測定項目を選択するだけの簡単なソフトウェア
② オートチューニング可能
装置本体寸法 概略:W700×D600程度の作業スペースで設置可能(本体、ノートPC)
② マグネットユニット:W約175×D約270×H約245mm 重量:約33kg
③ 電源ユニット:W約420×D約260×H約140mm 重量:約9kg
電源 AC100V 50/60Hz 3A
  • 導入事例

アプリケーション事例A

分散性評価(比表面積差、粒子径差、濡れ性(粒子と溶媒の相性))

ゴムの架橋状態評価

ゼリーの分子レベルでの不均一性評価(固さの評価)

粉体の水分量評価

APIなど粉体の結晶性評価

熱硬化樹脂の硬化過程の評価

セメントの凝結遅延の評価

 

アプリケーション事例B

技術情報 Technical information
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