製品情報

シングル・マルチファイバー接触角計/高感度表面張力計 Tensiio1(テンシオ1)

シングル・マルチファイバー接触角計/高感度表面張力計
Tensiio1(テンシオ1)

世界最高レベルの天秤分解能(1μg)を搭載した高感度荷重測定システムにより、髪の毛や最小7μmのファイバなど微細サンプル1本ごとの動的接触角を測定し、それらの濡れ特性を再現性よく評価することができます。マルチファイバサンプルホルダーを使用することで、更に微細な径のサンプルの評価も可能です。また、表面張力計としてプレート法やリング法などの基本的な表面/界面張力測定はもちろん、固体サンプルの動的接触角測定、粉体の接触角や表面自由エネルギー、浸透重量速度測定、CMC(臨界ミセル濃度)測定、液体密度測定など幅広い評価に対応した拡張性も特徴の装置です。

  • 概要
  • 特徴
  • 仕様
  • 導入事例事例

直径数μmの繊維の接触角を測定可能な超高分解能モデル

髪の毛やカーボンファイバ、ガラスファイバなどの接触角測定は、微小液滴を使った液滴法での測定も行われていますが、測定箇所の調整が難しく、また測定場所によって濡れ性が多少なりとも異なることからばらつきも多く、測定が難しい状況でした。

一方で、表面張力計のウィルヘルミー法による動的接触角測定による方法も提案されていましたが、非常に細い単繊維の接触角測定は、荷重分解能の問題から従来の装置では正確な評価は不可能と言われていました。

それらの課題を克服したのがKRUSSのTensiio1です。Tensiio1は世界最高レベルの1μgの荷重分解能を持つ超高感度天秤を搭載し、最小7μm径の単繊維の濡れ性の評価を可能とします。また、装置の重心が従来製品よりもより低く・重く設計されており、測定子は一般的なフック式ではなくソケット式(差し込み式)によりセットすることができます。これらにより、振動や風の影響を最小限にすることができ、荷重分解能の能力を最大化し、世界最高レベルの精度を実現しています。マルチファイバサンプルホルダーを使用することで、更に微細な径のサンプルの評価も可能です。複数の試薬で接触角を測定すれば、表面自由エネルギーを求めることもできます。

Tensiio動的接触角測定動画

測定の様子と専用ソフトウェア「ADVANCE」

カーボンファイバの接触角測定(ステージが上下に移動しながら濡れ荷重をプロットして接触角を算出します)

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ソフトウェア画面

生データとチャート及び測定値サマリーを1画面で表示したわかりやすい画面構成。サンプルを浸漬(引き抜き)させることで浮力の影響による荷重変化により直線の式が得られます。この直線の式を位置0(=浮力0)に外挿し、その荷重から接触角を算出します(サンプル全体を平均化した濡れ性)。

縦軸を接触角に変更したチャート。液体の密度値を入力することで、浮力の影響を直接計算してサンプル位置(浸漬・引き抜き距離)に対する接触角値を直接プロットできます。この解析方法では、サンプル位置による接触角(濡れ性)の違いや標準偏差(サンプルの均質性)を評価できます。上図の方法と併せて多角的な視点でサンプルの濡れ性を評価可能です。

ADVANCEはKRUSSの長年のノウハウが凝集された専用ソフトウェアです。

軽快な操作性と分かりやすい画面構成により、測定したい条件を短時間で入力してすぐに測定を始めることができます。
測定データは自動的にグラフ上に表示され、データ間の比較も容易に行えます。
データはExcel形式でエクスポートすることができ、グラフも自動的に作成されます。

繊細な測定をサポートするアクセサリ類(一部抜粋)

繊維サンプル用測定子

サンプルを測定子に両面テープで固定するものや、UV硬化樹脂で固定するものなど、お好みのアクセサリを選択できます。
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マルチファイバサンプルホルダー

マルチファイバサンプルホルダーを使用することで、単繊維での測定が難しい更に微細な径のサンプルの評価も可能です。

専用風防カバー

わずか数μgの荷重差に由来するファイバの接触角を正しく評価するには、外部環境による装置の揺れを極力排除する必要があります。本カバーは、風を防ぎつつ操作感は損なわない専用設計です。
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各種サンプルベッセル

標準のガラス製や汚れが付着しにくいPTFE製など、素材毎に容量が異なるサンプルベッセルをご用意しています。使い捨て用のアルミ製ディスポベッセルもあります。
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文献リスト

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  • 特徴

・今までの表面張力計/動的接触角計では差を見ることができなかった直径わずか数μmのファイバの動的接触角測定が可能なモデルです。炭素繊維、髪の毛などのシングル・マルチファイバ測定に活用できます。

・自動測定を極めたTensiio1は、ステージの上下移動や表面検出、測定や結果の計算まですべて自動で行います。

・天秤へのダメージリスクを減らす自動ロック機構とロック解除時に取り付けたプローブの揺れがすぐに止まる高性能ロック解除機構を採用し、安定した測定が可能。

・装置搭載の高精度天秤は自動校正機能が搭載され、信頼性の高い測定が可能です。

・各測定は専用のアクセサリとソフトウェアを装着すれば、すべて1台の装置で測定可能で、必要のない機能は除外できます。

・チャンバー内はステンレス製、チャンバードアはガラス製なので耐溶剤性かつ耐腐食性に優れ、掃除も簡単に行えます。

・様々な環境条件で測定ができ、温度制御のためのサーモジャケットや不活性ガス下での測定のためのガス注入口などが標準装備されています。静電気除去のためのイオナイザ(繊維やフィルムなどのサンプル向け)もオプションで取り付け可能です。

・専用ソフトウェアADVANCEはKRUSSが培ってきたノウハウが凝集されており、結果の比較やExcelへの出力も簡単に行うことが可能です。

  • 仕様

主な仕様

測定項目:ウィルヘルミー動的前進・後退接触角測定、ウォッシュバーン動的接触角測定(粉体・多孔質体サンプル向け)、表面自由エネルギー解析、表面張力・界面張力測定(プレート法・リング法)、ラメラ長測定(リング法)、液体・固体密度測定、沈降速度、貫通抵抗、CMC測定(マイクロディスペンサにより広濃度範囲の測定が一度に可能)

接触角測定範囲:0-180°

接触角分解能:0.01°

荷重分解能:1μg

表面張力測定範囲:1~2000mN/m

表面張力分解能:0.001mN/m

密度測定範囲(液体):1~2200kg/m3

密度分解能:0.1kg/m3

ステージ移動範囲:120mm

ステージ位置分解能:16nm

ステージ移動速度:0.001~800mm/min

最大測定荷重:210g

温度範囲:-15~135°(サーモジャケットオプション使用時)

温度分解能:0.01℃(温度計使用時)

所要電源:100Vac 50/60Hz 40W

寸法・重量:W290 x D360 x H560mm・29kg

主な機能

・スターラー機能内臓サーモジャケット標準装備

・温度制御、温度測定機能

・不活性ガス下での測定可能

・自動天秤ロック機能

・天秤の自動校正機能

・イオナイザによる静電気除去機能

・ソフトウェア内液体試薬データベース内蔵

・表面自由エネルギー計算機能(OWRK, Fowkes, ExFowkes, Acid-Base, Zisman, EoS, Wu, Schultz)

・専用ソフトウェアADVANCE

・環境センター搭載(環境湿度、気圧、温度を常に表示)

・デジタル水準調整機能搭載(ディスプレイで常に水準状態を確認可能)

  • 導入事例

アプリケーション事例

・固体の表面評価(毛髪、ファイバ、単繊維、プラスチック、ガラス、フィルム、紙、金属片、医薬品、顔料など)

・界面活性剤の品質管理、化学品(液体)、評価(化学工業、石油工業、医薬品、洗剤、食品、バイオ、インク、塗料、エレクトロニクス等)

技術情報 Technical information
  • 接触角計のよくある質問/FAQ
  • 接触角に関する規格
  • 接着とは何か?
  • バッテリーと濡れ #1 (電極の濡れ)
  • 半導体製造工程における濡れ #1 (ウエハーと濡れ)
  • 接触角計とは?
  • 接触角計の選び方
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