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銅合金の分析(蛍光X線)

純銅(C1100)

純度99.9%以上の銅。直径が1.3mm以上ある線材はピカ線と呼ばれる。タフピッチ銅、無酸素銅OFCがありスクラップ業界では上銅(じょうどう)と呼ばれる。銅合金には純銅に鉄、リン、テルル、マグネシウム、スズなどを微量添加した銅合金が多くある。ご注意ください。

  Cu
成分値 99.9%

C1100上銅

りん脱酸銅(C1220)

純度99.9%以上の銅でリン成分が0.015-0.04%含まれる。リンで脱酸しているため微量のリン成分が残留する。エアコンの冷媒管に使用される銅パイプ。上故銅

  P Cu
成分値 0.02% 99.9%

C1220リン脱酸同C1220

テルル銅(C1450)

純度99%以上の銅でテルル成分が0.4%含まれるもの。見た目は純銅と区別がつかない。一般的な分析器はテルルを検出できないため、検出できる分析器で測定する必要がある。快削性があるためグラインダーで削ると粉が飛び散る。

  Te Cu
成分値 0.4% 99.6%

テルル銅テルル銅

クロム銅

純度99%以上の銅でクロム成分が1%含まれるもの。見た目は純銅より赤い。アーク溶接のコンタクトチップに使われるため荷姿でわかるが、板や丸棒になると見分け困難。

  Cr Cu
成分値 1% 99%

クロム銅クロム銅

スズ入り銅(EFTEC3、TAMAC2)

純度99.8%の銅にスズを0.2%ほど添加した合金。スズが微量含まれているためタフピッチ銅、無酸素銅とは区別される。トロリー線にはスズがもっと多く入っている。

  Sn Cu
成分値 0.2% 99.8%

Sn銅Sn銅

鉄入り銅(TAMAC4、KFC)

純度99.8%の銅に鉄を0.2%ほど添加した合金。鉄が微量含まれているためタフピッチ銅、無酸素銅とは区別される。磁石を引くので上銅との識別は可能だがコツがいる。リサイクル原料では鉄粉が付着していることもあるので、研磨してから分析したほうが無難。

  Fe Cu
成分値 0.2% 99.8%

C19210TAMAC4

鉄入り銅(TAMAC194)

純度97%の銅に鉄を2.3%ほど添加した合金。がっつり磁石を引くので簡単に識別可能。

  Fe Cu
成分値 2.3% 97%

C1940鉄入りC194

マグネシウム銅(MSP1)

純度99.3%の銅にマグネシウムを0.7%ほど添加した合金。三菱伸銅の開発合金。エネルギー分散型の蛍光X線ではマグネシウムの検出が難しく、上銅との識別も一般的には困難。ただし、硬いので曲げれば区別できる。

  Mg Cu
成分値 0.7% 99%

MSP1

チタン銅

銅合金の一種。組成は97Cu、3Ti。純銅にチタンが3%微量添加されたもの。高強度ばね材に使われる。ものすごく硬い。

  Ti Cu
成分値 3% 97%

チタン銅チタン銅

鉛銅

銅合金の一種。組成は96Cu、4Pb。

  Pb Cu
成分値 4% 96%

Pb銅鉛銅

シリコン青銅

銅にシリコン3%、マンガン1%を添加した合金。リン青銅のような色合い。

  Si Mn Cu
成分値 3% 1% 96%

シリコン青銅マンガン銅

セパ(C2680/2700)

銅65%、亜鉛35%の二元合金。まさに黄銅、綺麗な色合いである。

  Zn Cu
成分値 35% 65%

セパC2680セパC2680

コーペル(C2801)

銅60%、亜鉛40%の二元合金。セパよりも若干色が薄い。

  Zn Cu
成分値 40% 60%

コーペルC2801コーペルC2801

黄銅、真鍮(C2600)

銅70%、亜鉛30%の二元合金。コーペルよりも黄色い。

  Zn Cu
成分値 30% 70%

真鍮C2600

快削黄銅(C3604)

銅60%、亜鉛37%、鉛3%の黄銅。コーペルに鉛を入れて削りやすくしたもの。一般的な黄銅棒で鍛造品だとC3771に該当する。鉛フリー品のビスマス黄銅もあるのでリサイクル原料では注意が必要。

  Zn Pb Cu
成分値 37% 3% 60%

C3604C3604

鍛造用黄銅(C3771)

銅58%、亜鉛40%、鉛2%の黄銅。一般的な黄銅棒よりも鉛が少ない。

  Zn Pb Cu
成分値 40% 2% 58%

鍛造用黄銅C3771C3771

ビスマス黄銅(C6801)

コーペルにビスマスを1-2%添加した鉛フリー黄銅。鉛の代わりにビスマスを入れる。ふつうの黄銅削り粉に混入すると、リサイクルの歩留まりが悪くなるため要注意。

  Zn Bi Cu
成分値 38% 2% 60%

ビスマス黄銅C6801ビスマス黄銅C6801

エコブラス

銅75%、亜鉛20%、シリコン3%の鉛フリー黄銅。エコブラと呼ばれる。水道メーターによく使われ、心なしか東日本でよく見かける。

  Zn Si Cu
成分値 20% 3% 75%

エコブラスエコブラス

金めっき真鍮

真鍮に金めっきがされたもの。真鍮成分Cu、Znと下地めっきであるNi、表面の金めっきAuを検出している。真鍮Niめっき金フラッシュ金メッキ銅

ネーバル黄銅(C4621/4641)

セパやコーペルにスズを1%程添加した銅合金。耐食性に優れ船舶部品に使われる。

  Zn Sn Cu
成分値 35% 1% 60%

ネーバル黄銅C4621ダライねーばる黄銅C4621

高力黄銅(C6783/6782)

コーペルにマンガンを数%添加した銅合金。鉄やアルミも添加されている。組成は60Cu、40Zn、1Mn、Fe、Al。アルミ青銅とは違い亜鉛が数十パーセント入っている。耐食性に優れ船舶のプロペラに使用される。

  Mn Zn Cu
成分値 1% 40% 60%

高力黄銅C6783高力黄銅CAC304

高力黄銅(CAC304C)

高力黄銅の添加元素が多いバージョン。組成は60Cu、25Zn、3Mn、2Fe、5Al。

  Mn Fe Al Zn Cu
成分値 3% 2% 5% 25% 60%

高力黄銅CAC304C

砲金BC6(CAC406)

スズ、亜鉛系の銅合金。ガンメタルともいわれる。砲金の中ではBC6が一般的で組成は85Cu、5Sn、5Zn、5Pb。水道管バルブによく使用される。スズ含有量は少なめ。

  Pb Sn Zn Cu
成分値 5% 5% 5% 85%

砲金BC6BC6

砲金BC7(CAC407)

スズ、亜鉛系の銅合金。組成はBC6よりも錫が多めで85Cu、6Sn、4Zn、2Pb。

  Pb Sn Zn Cu
成分値 2% 6% 4% 85%

砲金BC3(CAC403)

スズ、亜鉛系の銅合金。組成は砲金では一番錫が多めで85Cu、10Sn、2Zn、1Pb。スズが多いのでスクラップ評価額は高い。

  Pb Sn Zn Cu
成分値 1% 10% 2% 85%

砲金BC3BC3

ビスマス青銅

鉛フリー青銅ともいわれ砲金の鉛の代わりにビスマスを入れる。組成は88Cu、5Sn、5Zn、1Bi。BC6の代替品である。ビスマスが入っているため他の砲金と分ける必要あり。

  Bi Sn Zn Cu
成分値 1% 5% 5% 88%

ビスマス青銅CAC903B-3ビスマス青銅

ビスマスセレン青銅

鉛フリー青銅ともいわれ砲金の鉛の代わりにビスマスとセレンを入れる。組成は88Cu、5Sn、5Zn、1Bi、0.2Se。BC6の代替品である。ビスマスが入っているため他の砲金と分ける必要あり。CAC911

  Se Bi Sn Zn Cu
成分値 0.2% 1% 5% 5% 88%

ビスマスセレン青銅ビスマスセレン青銅

アルミ青銅(C6241、ALBC2)

銅にアルミ、鉄、ニッケル、マンガンを数%添加した合金。高力黄銅とは違い亜鉛は入っていない。添加元素のバリエーションは様々だが銅成分は80%以上ある。鉄とニッケルが数%はいっているので磁石の引きは結構強い。

  Al Fe Mn Ni Cu
成分値 10% 4% 2% 2% 80%

アルミ青銅C6241

鉛青銅(CAC603)

銅にスズと鉛を10%添加した合金。組成は80Cu、10Sn、10Pbで鉛が多いのが特徴。船舶に使用されている。あと仏像。

  Pb Sn Cu
成分値 10% 10% 80%

鉛青銅

りん青銅(C5102)

青銅にリンを微量添加したもの。組成は95Cu、4.5Sn、0.2P。一般的なリン青銅C5191よりもスズ成分が少ないのでスクラップ評価額は低い。

  P Sn Cu
成分値 0.2% 4.5% 95%

リン青銅C5102

りん青銅(C5191)

青銅にリンを微量添加したもの。組成は93Cu、6.5Sn、0.2P。リン青銅の中では一番ポピュラーな品種。

  P Sn Cu
成分値 0.2% 6.5% 93%

リン青銅C5191

りん青銅(C5212/C5210)

青銅にリンを微量添加したもの。組成は91Cu、8.5Sn、0.2P。スズが多めのリン青銅でハイパーリン青銅と呼ばれている。

  P Sn Cu
成分値 0.2% 8.5% 90%

リン青銅C5212

りん青銅(C5240)

青銅にリンを微量添加したもの。組成は89Cu、10Sn、0.2P。スズが10%を超えるリン青銅でハイパーリン青銅と呼ばれている。スズ分が多いためスクラップ評価額は高い。

  P Sn Cu
成分値 0.2% 10% 89%

リン青銅C5240

快削りん青銅(C5341)

リン青銅に鉛を1%添加して削りやすくしたもの。組成は93Cu、5Sn、1Pb、0.2P。

  P Pb Sn Cu
成分値 0.2% 1% 5% 93%

リン青銅C5341

白銅(C7150)

銅にニッケルを10-30%ほど混ぜたものが多い。100円硬貨もキュープロである。

  Ni Cu
成分値 30% 70%

白銅C7150白銅C7150

洋白銅(C7541)

銅にニッケルと亜鉛を10-30%ほど混ぜたものが多い。500円硬貨は洋白。

  Zn Ni Cu
成分値 25% 10% 65%

洋白銅C7541洋白銅C7415-10Ni25Zn

ベリリウム銅(25合金)

ベリリウム銅の一種、高ベリタイプで流通量も多い。25合金の化学成分は銅に2Be-0.3Co添加であり、X線式ではベリリウムが検出できない。その代わりコバルトが0.3%ほど含まれているためコバルト濃度を見れば25合金と推測できる。ベリリウム自体を検出したければレーザー分析器などの発光型を使用しなければならない。

  Be Co Cu
成分値 1.8% 0.3%

25合金25ベリ銅

ベリリウム銅(11合金)

ベリリウム銅の一種、低ベリ。11合金の化学成分は銅に0.3Be-2Niであるため、X線式ではベリリウムが検出できない。ニッケル成分がヒントになるがコルソン銅と間違えるおそれがある。

  Be Ni Cu
成分値 0.3% 2%

11合金2ベリ銅11

ベリリウム銅(7合金)

ベリ銅の一種、低ベリ。7合金の化学成分は銅に0.3Be-2Ni-0.4Alであるため、X線式ではベリリウムが検出できない。ニッケルとアルミ成分がヒントになるが高精度分析器でないとアルミが検出できないおそれがあり、コルソン銅と間違えてしまう。

  Be Ni Al Cu
成分値 0.3% 2% 0.4%

7合金7ベリ銅

ベリリウム銅(50合金)

ベリリウム銅の一種、低ベリ。50合金の化学成分は銅に0.3Be-2Ni-0.1Agであるため、X線式ではベリリウムが検出できない。7合金に似ているが、銀が入っているため50合金だと判断できる。

  Be Ni Ag Cu
成分値 0.3% 2% 0.1%

50合金50ベリ銅